行方をくらませた従弟

従弟の浪費癖は酷かった

2つ年下の従弟はとても朗らかで優しく、子どもの頃から周囲をなごませてくれる、とても良い人でした。

しかし裕福な家庭に育ち、欲しい物は両親から何でも買い与えられたのが悪かったのでしょう。 無駄使いは子どもの目から見ても酷いものでした。

東京の大学に進学し、ひとり暮らしを始めてからは無駄使いというレベルを通り越しました。 一等地のマンションを借り、高級車を乗り回しては遊んでばかり。 それでも何とか卒業して、親の会社に入るために実家に帰ってきたのはいいのですが、やはり親の金をあてにしては派手な生活を繰り返していました。

結婚して自分の所帯を持つことになり、両親がこれからは自分の給料でやり繰りするようにと言われ、クレジットカードの類も全て返却することになりました。 しかし今更酷い浪費癖が治ることもなく、今度は自分名義のカードで好きなものを買いあさりだしました。

借金が原因で絶縁状態に

カードの借金はどんどん増えていき、瞬く間に自分のカードが限界になると、次は奥さんのカードを取り上げて買い物を始めました。 そして奥さんのカードもいっぱいになると、とうとう社員の旅行積立金に手を出してしまいました。

闇金に手を出さなかったのは不幸中の幸いですが、借金の額は数百万円に膨れていたそうです。 ここまでくると、もう自分で借金の返済はできません。 両親がすべて清算し、従弟は会社から追い出されました。

奥さんとも離婚し、現在は地元を出て、どこにいるのは居場所すらわかっていません。 常識の範囲内で遊んで、買い物をすれば今頃悠々自適に生活していたのに、自分で返せないような借金を作ったばかりに、従弟は取り返しのつかない人生を送っています。